アルメニアに行ってきた アシュタラク地方とロリ地方

この日からアルメニア周遊開始。

エレバンを出て小さな町・Ashtarak(アシュタラク)に立寄り、アルメニアで最も高いAragatz (アラガツ)山の周辺・Aragaston(アラガストン)地方を経て、世界遺産の点在するロリ(Lori)地方へと移動した。

この日訪れたのは

  • Karamaravor church(7世紀、カルムラヴォル教会)
  • Kasakh(カサグ)川そばにある水車
  • Saghmosavank(1215 A.D. サグモサヴァン修道院
  • Amberd Fortress(7世紀、アンベルド要塞)
  • Hagphat monestry(976 A.D. ハフパット修道院
の5カ所。()内の年号は建築年。DTACアルメニア観光局情報はここここにある。

8日間でアルメニアを周遊するためには急ぎ足なスケジュールにならざるをえず、周遊中は車での移動時間が多かった。しかし(おそらく)ガイドの気遣いで、旅程表にはない細々とした休憩があったので、毎日退屈することなく過ごせた。

まずアシュタラクという小さな町(日本の感覚でいうと村というサイズの町)に寄り、赤っぽい石で立てられたカルムラヴォル教会を訪ねた。赤いタイルでできたドーム屋根はアルメニア教会独特の建築様式。この教会は、アルメニアに数多ある教会のなかでも保存状態がよく、7世紀に建てられた当時のドーム屋根が今も残っている。
Karamaravor church Karamaravor church
Karamaravor church Karamaravor church

教会のそばを通るカサグ川のほとりにある、今はもう使われていない水車と、小さな橋も見学した。橋はシルクロードの時代から使われているという。春の川のほとりには花が咲き乱れ、川の水は透き通り、遠くの丘の上には教会が見え、とても美しい風景だった。その後もアルメニアの緑豊かな風景には幾度も心打たれることになる。
Watermill near the Kasakh river Watermill near the Kasakh river
Kasakh
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アシュタラクを出て小一時間、途中で放牧中の羊に遭遇しつつ車を走らせる。
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カサグ川上流の峡谷のうえに建てられているサグモサヴァン修道院に到着。教会裏から川を望むと、ダイナミックなアルメニアの地形を感じることができた。
Saghmosavank Saghmosavank
Saghmosavank

それからアラガツ山を車で一気に登り、アンベルド要塞へ。標高の低いエリアでは淡い色の花が大地を覆っていた。道中、放牧で暮らしているというクルド人の集落というか野営地というか…を通り過ぎた。
Amberd Fortress Untitled

アラガツ山はアルメニア最高峰で、4000mほど。かなりの高度で、ちょっと動くと息が切れる。アンベルド要塞には10世紀に建てられた城、教会、そして城壁の跡が残っている…こんなところによく城を建てたものだ!と感心してしまう。
Amberd Fortress Amberd Fortress
Amberd Fortress

山を下りて、屋外にテーブルのある小さなレストランでランチ休憩。レストランでの食事はいつも前菜にたっぷりのハーブ、トマトとキュウリ、キャベツとハーブ等を和えたサラダ、それからもう1皿別のサラダ(人参だったりビートだったり)、lavash(ラバッシュ)という薄いナンのようなパン、そして普通の白いパンが出てくる。ハーブ・野菜がどれも美味しく、前菜だけでお腹いっぱいになりそうなのだが、しばらく前菜を食べているとメインディッシュ(ケバブだったり、肉団子だったり、鳥肉を焼いたものだったり)が出てくる。どれも素材の味を生かしたシンプルな味付けで、日本人の口には非常に合うと思う。私はどれも外れなく美味しかった。デザートはリンゴ、ブドウ、オレンジなどのフルーツか、素朴な焼き菓子が多かった。甘過ぎないところが自分的に嬉しかった(シンガポールのケーキはやたらと甘いものが多いので…)。
Armenian cake Untitled

ランチ後はひたすら北上、途中で現地民で混み合うパン屋に寄る。ラバッシュを焼く窯があり、パン職人たちが薄い生地を手際よく仕上げていく様を眺めた。インドのナンと似たような作り方だった。店は焼きたてのパンの匂いで満たされていた。
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ロリ地方に入る。放牧中の羊や放し飼いの牛は頻繁に見かけるので、だんだんそれが当たり前になってきた。ロリ地方は山だらけ、この山々を越えると隣国グルジア。そんな山のなかに世界遺産指定されている修道院が2つある。
Lori region
Aragatz mountain

そのうちのひとつ、ハフパット修道院を訪問した。便宜的に修道院と呼んでいるが、ここもエチミアジンのような複合的施設で、教会あり、小型教会あり、今はもう使われていないが神大学の施設や教師たちが住んだ宿舎あり、そばに今現在も司祭が住む建物あり・・・と、山奥にあるにも関わらず、大規模な宗教施設だった。昔は大きなコミュニティを擁していたし、今も村のサイズこそ小さくなったものの、伝統が続いている空気が感ぜられた。
Hagphat monestry
Hagphat monestry Hagphat monestry

アルメニアにある教会は、このハフパットと同様に、長い長い歴史がありつつ今も変わらず祈りの場として使用されている場所が多い。その様子を見ていると、信仰と生活の不可分な繋がりや、その地に住む人々の日常によって作られた文化の厚み……抽象的にいうなら、無形の価値について考えざるを得ない。
near Hagphat monestry

この日の夜はハフパットからほど近くにある、2年ほど前に建てられたというガイド氏の友人が運営するホテルに泊まった。ホテルの前を放し飼いの牛や犬が何匹か通り過ぎて行く様子が窓から見えた。そして、ホテル前から見える山間の景色が美しくて圧巻だった。
A hotel near Hagphat monestry near Hagphat monestry
A scnery near Hagphat monestry