コープ・ヒンメルブラウ「回帰する未来」

初台のICCで、展示が始まったばかりのコープ・ヒンメルブラウ「回帰する未来」展に行ってきた。
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2009/CoopHimmelblau/index_j.html
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なにがおもしろかったの?と問われると、答えるのがむつかしい。

部屋に入ると、大きな、本当に大きな、たとえるならば6畳間ひとつまるまるぶんくらいありそうな透明な球体が浮かんでいる。その中には機械?が入っている。天井に設置されたスピーカーから音が流れている。

「体験できますよ」とキュレーター(学芸員)さんに言われて、球体の下に潜り込む。金属製の棒があり、そこを握って体験するそうだ。握る。しばらく反応がない。球体を見上げる。

音が大きくなる。心臓のような音。機械から光が放たれる。命を彷彿させる赤い光。

コープ・ヒンメルブラウは,1968年の開設当初より人々の意識や行動により変形する未来の居住〈建築〉のプロトタイプを数々発表,71年の《フィードバック・ヴァイブレーション・シティ》では,心拍,呼吸,脳のα波や住民の動きにより変化する都市が構想されている.
この作品のアイデアは,69年の実験《ハート・スペース――アストロバルーン》にさかのぼる.一人用の69年版では,バルーンでできた透明な被膜内にセンサー付きの人型の被膜があり,装着することで心拍が点滅する光や音に変換された.

ということらしい。1968年の構想から40年をかけて、2008年の第11回ヴェネツィアビエンナーレ国際建築展で実現されたのが、私の見た《アストロバルーン 1969 リヴィジテッド――フィードバック・スペース》。今回の展示のために再制作されて、ICCに登場。*1

なにがおもしろいかを説明するのはむつかしい。想像もしなかった世界を見つけた気分だ。
こんな世界を500円で見せてくれるICCとNTT東日本(ICCの運営元)に感謝。

*1:《ブレイン・シティ・ラボ》という展示もあり、こちらも面白かった。