non-nativeだからこそわかる、日本のよさ

【内容】
ハンガリーを亡命したピーター・フランクルが初めて日本を訪れ、日本に住み始めるまでの1982〜1990年を描いた軌跡を描いた1冊。


「(アメリカにおいて)男女の典型的な出会いの場は酒場で、金曜や土曜の夜、バーに行く。一番知りたいのは相手の収入だが、人の年収を訊くのは、女性に年齢を訊ねるより、さらに失礼に当たる。」


世界を放浪している著者だけに、日本だけではなくハンガリー、フランス、アメリカでの生活の様子も言及していて興味深い。後半では各国を比較して、何故著者が日本を愛し、日本に住もうと思ったのかを説明している。


20年近く前の状況なので、今とは若干違う点もあるだろうが、アメリカ人を「カネは何より大切なものらしく、宗教のように信じているよう」と書く一方、日本を「能力があって努力を惜しまない人が評価される国」と表現しているところは、考えさせられるものがる。


良くも悪くもアメリカは絶対的な資本主義で、日本は社会主義的と言われている。
その両国を体感した著者ならではの具体例(バーでの会話・異性の評価基準!)を用いてその違いを描写しているのが、とても面白いと思う。


内容とは直接関係ないものの、「〜してほしいと願っている」「寂しく、悲しい限りだ」等、なんとなく外国人的な表現のように感じる日本語表現も多く、日本語の奥深さを感じる側面もあった。