「ウェブ進化論」を読んで

そういえば梅田さんの前作「ウェブ進化論」のレビューはmixi内に書いたので、外部の人は見れない状態でした。折角なので転載して公開しておきます。半年前に書いた文章なので微妙に恥ずかしいですけど、今も基本的に言いたいことは変わっていません。



梅田 望夫 / 筑摩書房
Amazonランキング:61位
Amazonおすすめ度:

世界はまだ、止まっていない

この本の書評はネット上にあふれ返っている。私が今更語ることなどないのかもしれない。だけど何かを残したいので、私がこの本を読んで真っ先に思いついたことを書き留めておく。それは「毎日がなんだかつまらない、息苦しいという人に読んでもらって、世界はこんな風にも広がっているっていう希望を持って欲しいなぁ」ということ。


この本の内容はインターネットの世界で起こっていること、これから起こるであろうということについて。具体的には「世界中の情報を整理しつくす」グーグルという会社や、共有による課題解決を実現するオープンソース(ウィキペディアやリナックスといった「売り物」でない便利な道具)現象について、とても読みやすい日本語で書いてある。


この本の中で、好きな表現がある。
『(≒∞) × (≒0) = Something. あるいは、消えて失われていったはずの価値の集積』

子供のころに考えた「1億人の人から1円ずつもらえたら、1億円になるなあ」ということの実現が、インターネットでならありうるというはなし。お金では難しくても、1万人の人から1日1分ずつ集めたら……? という、なんだか夢みたいな、だけど可能性として存在すること。


大人になるにつれて感じていた「世界はそんなに単純じゃないのだ」という悲しみ、「自分は何も出来ないのだ」という絶望感、そういうものを拭い去ってくれる、暖かい1冊。