魔法使い

私は、魔法の使える友人をもっている。
彼女たちは、私が弱っているまさにそのときに、メールや、手紙や、言葉を届けてくれる。
奇跡のようなタイミングの良さと、魔法のような言葉の選び方で、私を少しだけ、引っぱり上げてくれる。


私はそれに比べて、何も出来ない。
けれど、少しは彼女たちの何かになれていたら良いな、と思う。


ほぼまんまるの月を眺めて歩く帰り道に、空を見上げて、ぼんやりと考える。