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おかね哲学

2008年の2冊目


田中 優, A SEED JAPANエコ貯金プロジェクト / 合同出版(2007/12)
Amazonランキング:682位
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貧富の差を作る?おカネの正体って?

帯にある小林武史の推薦文が、この本の中身をよく示している。

お金を上手に使えば社会がよい方向に進むことがでいる。
ということを、どれだけの人が知っているだろうか。

ここでいう「よい方向」は、経済的繁栄よりも、平和・福祉・環境に重きをおくこと。

私たちの未来を決めるのは、私たちが考えたり祈ったりしていることではなく、「どこにおカネを預けたか」によるのです。

という考え方から、今の世の中を見る。また、その考え方に基づいたときの選択肢としてNPOバンクというものがあるよ、と紹介している。

なぜ既存の銀行にお金を預けるのがよろしくないのか?というと、こんなお金の流れがあるから。
まず、日本の大手銀行にお金を預ける。すると、若干ながら利子がもらえて、お金が増える。なぜお金が増えるかというと、銀行がそのお金を元に、どこかにお金を貸して=投資して、そのお金を返してもらう際に利子をつけてもらって、収益をあげているから。その投資先のひとつとして、日本の国債がある。日本国債は日本の国家予算に使われる。ところで日本は、世界的に見て、米国債購入額トップの国らしい。つまり、国家予算のうち何パーセントかが、米国債の購入に使われているということ。日本国債と同じように、米国債は米国の国家予算に使われる。ところで米国の軍事費は、年間約50兆円にのぼる。つまり、銀行に預けた自分のお金も、回り回って米国政府による武器・爆薬購入に使われている。


ちょっと拡大解釈しすぎじゃない?という気もする。けど、「利子」というものについて疑問を抱いたときに、この回答はちょっと腑に落ちる。よくわかっていないけれど、なぜか戦争になると景気が良くなるらしいし、なぜか軍需産業はいつの時代も潤っている(ように見える)し。


他にも昔よりもたくさん・・・24時間どこかで誰かが働いているのに、豊かになった気がしないのはなぜ?とか、「銀行の信用創造機能」ということばがあるけれど、本当に信用が創造されたの?といった話とか、が載っていて、おもしろかった。

お金持ちになるのは悪くないと思う。私もなりたい。でも、国家単位での「GDPの数字が伸びる=豊かになった」という考えが時代錯誤になりつつあるのは、間違いないと思う。数字で計れるものも、お金で買えるものも、限られている。

地域で生活している人たちを土地から引き離し、プランテーションなどで賃労働させ、コンビニから必需品を購入せざるを得なくさせればいいわけです。そうすれば、稼ぐときも買うときもGDPカウントを伸ばします。こうしたしくみの中に私たちは生活しているわけです。だから何でも商品にして、そこに付加価値をつければつけるほど、数字上「豊か」になるのです。