アルケミスト

アンダルシアからアラビア世界に渡った少年の話。

しかし、そのらくだ使いはあまり戦争を心配していないようだった。
「私は生きています」と彼はある夜、ひとふさのなつめやしを食べながら少年に行った。その夜は火もなければ、月の明かりもなかった。「私は食べている時は食べることしか考えません。もし私が行進していたら、行進することだけに集中します。もし私が戦わなければならなかったら、その日に死んでもそれはかまいません。
なぜなら、私は過去にも未来にも生きていないからです。私は今だけにしか興味を持っていません。もし常に心を集中していれば、幸せになれます。砂漠には人生があり、空には星があり、部族の男たちは人間だから戦う、ということがわかるでしょう。人生は私たちにとってパーティであり、お祭りでもあります。なぜなら、人生は今私たちが生きているこの瞬間だからです」


こういう、自然体に筋を楽しむ物語は、紙で読みたいと思う。ディスプレイだと、なんだか急いで読んでしまうから。急がないようにフラッシュ加工したりすれば良いのかもしれないけど、余分なイラストを入れないで、ゆっくり読むには、文庫本がちょうどよい。

404275001Xアルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)
Paulo Coelho 山川 紘矢 山川 亜希子
角川書店 1997-02

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