電子書籍がいずれ表舞台を奪うだろう。でも今のところ出版社が出る幕も残ってはいる

オリジナル

「Scholarly Kitchen ブログタイトル追っかけプロジェクト その11」の前座として、5月14日のScholarly Kitchen記事「E-Readers Will Take Centerstage If Prices Drop, Yet Publishers Still Have Two Left Feet」を全文訳します*1

全文訳

ボストン・コンサルティンググループによる調査「Goodnight, Gutenberg」によると、消費者は電子書籍を認知していて、多目的電子書籍デバイスに興味を持っている。そしてこれから3年以内に1台のデバイスを購入しようと考えているが、まず200米ドル以内に値段が落ちてほしいと考えている。(13000人の回答者のうち、49%がこれから3年以内にデバイスを購入しようと考えているという結果である。)

調査結果「Goodnight, Gutenberg」へのリンクをもう一度貼っておく。サマリーだけでも読む価値はある。

一方、Joe Wikert曰く、出版社は「古いルールを適用しようとしている」。私もこれは当たっていると思う。物事を変化させる代わりに、つまり既に入手できる/またはこれから発売される電子書籍デバイスを活用したフォーマットで出版したり、値段をそれに合わせて設定したり、直販する方法を考えたり、use-case*2を解決したりする代わりに、今までと同じやり方をしようとがんばっている。

49%の人々が2013年までに電子書籍を読むための何かを購入しようとしているのに、我々出版界の人間はただ手をこまねいていて良いのか? 

これまでの10年間、私たちは何を学んできたのか?

感想

すごく面白い時代を見ることが出来るのかもしれないなーという期待と同時に、私は何も出来てないー・・・という焦りを感じます。焦ってもどうしようもないので、自分に出来ることを考えましょう。幸か不幸か、英語圏以外はもう少し時間がかかりそうですし。
一方で、学術出版ではPDFの台頭が当面は続きそうかなー・・・とも思います。ブラウザ表示できるかたちにすると数式がよく化けるんですよ。何か良い対策はあるのかな?

*1:超訳なので、正確に読みたい方はオリジナルを参照してください

*2:システムの機能的要求 を把握する技法のこと。あるゴールを成し遂げるにあたっての外部のアクター(システムユーザー)とシステムとのやり取りを定義する。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B9