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最近気になったSholarly Kitchen記事色々(2010年12月〜2011年1月)

はじめはScholarly Kitchen以外の色々なソースから集めようと思ったんですが、多すぎて収拾がつかなくなったのでひとまず。

Data-mining Google Books: Does the Reader Have To Be Human? « The Scholarly Kitchen

著作権法には抵触しない、なぜならこのプロジェクトで取り込んだ本は、たとえ1センテンスであっても(人間が)読むことはできないから」というグーグルの主張について。
グーグルがGoogle Booksでスキャンしたデータをもとに、1500年代〜今までの出版物に登場した単語をデータベース化。現在、このデータベースは誰でもダウンロードできるようになっている。サンプルとして簡単なサーチ画面も提供されている。たとえば「Micky Mouse」と「Samurai」のどちらが先に洋書の中で使われるようになったか?etc.を調べるとちょっと面白い。Google Ngram Viewer

これは著作権的にどうなの?という質問に対するグーグルの回答が、冒頭に挙げた「著作権法には抵触しない、なぜならこのプロジェクトで取り込んだ本は、たとえ1センテンスであっても(人間が)読むことはできないから*1」。イギリスでそういう(著作権はあくまで人間が読めるものに対して適用する・・・といった内容の)判決もあるらしい(家人談)。しかし機械がデータを読んで、そのアウトカムが重要な価値を持つようになっても、そのデータに対する著作権を訴えることはできないのか?

ブログポストは「現時点では、言語のトレンドやパターンを知ることの出来る巨大データベースの価値は未知。その価値に出版社が気付くのはGoogle Books関連で大きな進歩が見られてからだろう」と〆ている。こんなデータベースを構築できるのがグーグルしかいない以上、誰も止められないのだろうと自分は思う。

Open Access Repositories Lack Trust — But Is Trust Really Necessary? « The Scholarly Kitchen

レポジトリに必要な「信頼」というのは、商業論文誌に必要な「信頼」とはちょっと違うんじゃないか、というはなし。

Year One: The Born Digital Publisher « The Scholarly Kitchen

紙の出版をビジネスの根幹として持ち続けざるを得ない既存出版社と、電子出版をベースにビジネスを組み立てることができる新しい出版社(Born Digital)では取る方策が違って当然。
しかし紙の出版環境が大きく変化する中で、既存出版社の多くは生まれ変わる(Born Again)ための方法を探っている。Born Againとは社内を効率的に回すためにテクノロジーを使うことから携帯ユーザー向けコンテンツを出すような新しい機会創出を狙うものまで様々だが、基本的に既にあるビジネスをもとにインフォメーションテクノロジー(IT)を活用しようという動きだ。その一方でハンドクラフト本のようなアート色の強い出版(Artisan publishing)については例外的な存在としてあり続ける。別に皆がAppleGoogleになる必要はない。一方でBorn Digitalの新しい出版社は既存のシステムの中で狙うべき場所を探している。
(新しい出版社と既存出版社の考え方が異なってくるのはこんな点→新しいマーケットに対する姿勢/グローバルマーケットに対する考え方/直接販売するか/価格付けの手法/(コンテンツ・編集的な意味で)新しいフィールドに対する姿勢/印刷インフラに対する投資/組織の大きさ)
Born Again会社とBorn Digital会社が対照的な主張をするのは至って自然なこと。だから既存出版社が新しい出版社に対して査読の体制がなってないとかファイナンス的に不安定だとか批判したり、逆に新しい出版社が既存出版社を悪の権化だとか批判したりするのは意味のないことだ。Born Digitalな出版社はBorn Againにはなれない。イヌはネコにはなれない。

紙の出版でやっていくにはある程度の規模とブランドが必要なので、新しい出版社は自分たちの良い点を生かすことのできるエリア(=新しいマーケットやプロダクト)に注力していかざるをえない。注目すべき点は新しいマーケットがメインストリームになるまで、どれくらいの時間がかかるのか?ということだ。

Nature’s Foray Into Full Open Access Journals « The Scholarly Kitchen

Nature Publishing Groupもフルオープンアクセスジャーナルをスタート。最近はアメリカ物理学会による「Physical Review X」も発表になった。
Physical Review X

So You Want to Be An Academic Librarian? A Parody « The Scholarly Kitchen

「で、あなたは大学図書館員になりたいの?」パロディアニメ。高飛車な女子学生が良い感じ。

Don’t Look Back — Do Scientists Squelch Citations to Justify Claims of Novelty? « The Scholarly Kitchen

研究論文と引用のはなし。まだ消化できていない。

*1:Google says the culturomics project raises no copyright issue because the books themselves, or even sections of them, cannot be read.