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「臆病者のための株入門」

book

日本語の経済・ビジネス関係書籍を安売りしている人がいたので何冊か購入した。そのうちの1冊。橘玲は「正しいこと」しか書かないけど、論理展開はしごくまっとうなので、たまに読みたくなる。

臆病者のための株入門 (文春新書)

臆病者のための株入門 (文春新書)

株価はどうやって決まるの?

「究極のこたえ」は

その会社が将来にわたって生み出すすべての利益を現在価値に換算したもの

・・・ということは知ってる。問題は「すべての利益を現在価値に換算する」のが難しいんじゃないか!と思ったらそれは著者も認めている。どういうふうに計算するのが定石かというと株価の(上記の)法則に「お金の価値は未来になるほど小さくなっていく」というファイナンスでの考えをアプライする。

現在のお金は大きく、将来のお金は小さく、調整してやらなければならない。この比率を「割引率」という。(略)ということは、株式の価値を知るために必要な情報はたったふたつしかない。将来の利益と、割引率である。

債券は金利を予想するゲーム

(ある債券の)10年間に受取る配当の総額は10万円(配当1万円x10年)だから、これに元金10万円を加えた合計20万円が債券の価値だろうか。もう、こんなトリックにはひっかからないだろう。あなたは、1年目に受取る1万円と、10年目に受取る1万円では価値がちがうことを知っているからだ。これを「将来価値を現在価値に割り引く」というが、その方法はぜんぜん難しくない。先に述べた福利の逆をやればいいだけだ。

現在価値は金利(割引率)によって変動する。たとえば年利1%であれば、10年後の1万円の現在価値は9053円だ。年利0.001%なら9999円預けてやっと10年で1万円になる。

現在価値は、割引率(年利)が高いほどやすくなり、割引率が低いほど高くなる。

債券の現在価値(適正価格)=(将来受取る配当の現在価値をすべて足し合わせたもの)+(満期時に償還される元金の現在価値)

株式投資は将来の利益を予想するゲーム

株式の利益分配権のみに着目すると、株式は償還期限なし・配当額変動型の債券の一種と考えられる(他に議決権もあるが一般投資家にはあまり関係ないので無視)。償還期限なし=ずっと配当がつづく債券があったとすると、その価格は配当等割引率で決まる。つまり
株式の理論価格=(1株利益)/(割引率(interest))

(1) 1株利益が大きくなれば株価は高くなり、少なくなれば株価は安くなる。
(2) 割引率が小さければ株価は高くなり、大きくなれば株価は安くなる。
一般に株式投資においては、割引率よりも1株利益の変動が株価に大きな影響を与える。株式投資は1株利益を予想するゲームなのだ。

投資をするときの鉄則

だれかが得をすれば、誰かが損をする。

つまり、お得な話があればその分の損を誰かが必ず払っている。「だったらその損は誰が払ってるんだ?」

問題なのは、自分が無知なことに無自覚で、なおかつ自分の判断が正しいと信じているひとたちである。彼らは絶好のカモとして、身ぐるみはがされて市場から退出していくはずなのだが、不思議なことに、どこからともなくつぎつぎと湧いて出てくるのである。

20代や30代は資産全体に占める人的資本の比率が圧倒的に高いから、人並み以上のお金持ちになろうと思えば、自分自身という資産をいかに活用し、そこからどれだけの冨を生み出せるかがすべてだ。「資産運用は若いとこからはじめるべき」といわれるけど、ボーナスで残った5万円や10万円をなにに投資しようか考えてる場合じゃない。人的資本は年齢とともに減価し、退職した時点でゼロになってしまう。

人生の折り返し点を過ぎるころから人的資本は減少し、そのかわりに金融資産の比率が上がってくる。65歳で退職すると、あとは年金と資産運用の利益で生活していくほかはない。その際にどの程度の資産が必要かは年金の額や運用利回り、余命などで異なるから一概には言えないが、(以下略)

というわけで、今はせっせと働こう。