ステーシーズ ― 少女再殺全談
前日の晩から読み始めた大槻ケンヂ「ステーシーズ」文庫版(を自炊したもの)を朝の電車内で読了。文句なしに面白かった。1997年出版だから既に15年経っているのだが、全然古びていない。
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大槻ケンヂは非凡な才能の持ち主だが、なにがうまいって、ネタの横展開が見事なのだと再認識した。エッセイでやられると(どんなに面白くても)使い回し感が強くなってしまうのだが、本作品については文学作品・音楽・トークイベント…と自分の持てる才能を全部活用してネタの横活用をしている。
音楽を取り上げていうと、筋肉少女帯のアルバムとして「ステーシーの美術」と「レティクル座妄想」にこの小説の片鱗が見られる。後者はステーシーズ出版前の作品だから、おそらく「レティクル座妄想」が先にできて、そこから「ステーシーズ」が生まれて、その舞台音楽として「ステーシーの美術」を作ったのだろう。「ステーシーズ」は女の子がゾンビになる話だが、90年代ということはオカルトTVバラエティに出演してUFO等について色々語ってた時代で、彼の中では全部つながっているわけだ。(ちなみに自分が大槻ケンヂに関心を持つようになったのは2000年以降なので、リアルタイムではあまり気をつけて観ていなかった。)
またWikipediaを観て、 ステーシー単体でも映画化、コミカライズ、さらにモーニング娘。による舞台版まで作られていることを知った。大槻ケンヂの参加するバンド「特撮」のライブに2000年代半ば〜後半によく足を運んでいたが、行くたびに新しい若者ファンがいたのはそこらへんの影響もあったのかーと、ちょっと懐かしく思い出した。