涙にできてしまえば、楽なのに
答えの存在しない、胸がぎゅうっとなる感覚の詰まった1冊。
恋愛系の少女漫画が好きな人なら、間違いなくツボにはまる。
女性向け恋愛モノを書かせたら、この人の横に出る人は、まだいないと思う。
「私は思うのだけれど、注意深くするのは愚かなことだ。当然だ。誰かを好きになったら注意など怠り、浮かれて、永遠とか運命とか、その他ありとあらゆるこの世にないものを信じて、さっさと同居でも結婚でも妊娠でもしてしまう方がいいのだろう」(「手」より)
それができるのなら、この胸の苦しさも軽くなるのでしょうけど。