まるくてさんかくでしかくくて

トポロジーというのは、○も、△も、□も、同じに見なすという考え方をする数学の一流派です。
もう少しちゃんと言うと「伸ばしたり、縮めたり、曲げたり、歪めたりして重ねられるものは同じもの」で、「切ったり、破ったり、貼ったりの操作は許さない」。だから、○と△は同じですが、○とドーナッツ型は違うものです。○の真ん中を破らないと、ドーナッツ型にはなりませんものね。


・・・という世界を説明するために、川久保先生は「美人でない人は、トポロジーの世界に生きよう」「どんなにひどいブスでも、技術のある職人が押したり、引っぱったり連続的に変形していけば、出るべきところが出、引っ込むべきところが引っ込んでいてスタイルがよく、顔は吉永小百合に変えることができます」と、わかりやすくて面白くて、だけどちょっと毒がある表現を使います。いやいや、毒と思っちゃいけません、数学者なりのユーモアです。


私が1番気に入っているのは「近い」「密接」とは何かの考察で出てくる「恋は盲目」についての文章です。
ここではあえて引用しませんが、数学的考え方をしていると恋とは何ぞや? ということも、わかっちゃうんですよ。フフフ。