全ての衣服はコスプレである

今年から社会人になったので、スーツを着る機会が格段に増えた。私は女なので、スーツではなくて「仕事着」というくらいの、軽いフォーマルウェアであることが多いが、まぁ、とにかく、増えた。しかし私は「スーツを着る」と思ってジャケットに袖を通すことはほとんどない。なぜか? 「スーツを着る」のではなく「OLコスプレをする」と思って服を選んでいるからだ。


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就職活動を始めた頃、友人に冗談めかして「私は高校が私服だったから、カッチリした服を着るのが6年ぶりくらいで、なんだかコスプレしているみたいだよ」と言ったことがあるが、今でもその気持ちは変わらない。むしろ意識して変えていない。


「スーツが苦手」という人は多い。1番よく聞く理由は「窮屈」「着心地が悪い」で、次が「お洒落に着るのが難しい」「カッコワルイ」から。……気持ちはわかる。私だってTシャツ・ジーンズのほうが好きだ。スーツを着ていると自転車に乗れないのもツライ。カジュアルウェアのほうが機能性も高いし、着心地もよいし、お洒落もしやすい。


しかしオフィスワーカーになった以上、スーツ(もしくは「仕事着」は)毎日付き合っていくものだ。楽しまなくちゃ損である。嫌々と野暮ったく着るよりも、気持ちよく着こなしたいではないか。そこで「コスプレ」である。


毎朝服を選ぶとき「さあ、今日はどんなコスチュームを身に付けようかな?」と思ってワードローブを漁れば、気分はちょっとしたイベント状態。女の子は比較的それが出来ている人が多いと思うけど、男の子だってもっと「コスプレ気分」を満喫して欲しい。シャツやネクタイの色、柄、素材、結び方、ベルトや靴、ネクタイピンを使うか否か等、楽しむポイントは十二分にあるはずだ。


こんなことを言っているとずいぶんとコダワリお洒落さんのように聞こえるかもしれないが、実物を知っている人はわかる通り、私のレベルは高くない。むしろかたくなに「OLっぽくカッチリした格好」を心がけている(割りにレベルが低い)ので、野暮ったく見られていると思う。それに服飾品にかけるコストも本物のお洒落さんに比べたら全然少ない。以前さとる君「この半年で服にかけたお金が100万突破した」という内容の記事を書いていたが、彼と比べるまでもなく、私の(時間も含む)服飾費コストは少ないほうだと思う。一応女子の端くれなのに……!


でも大切なのは「楽しむ心」ではないか、と思う。無理をしても長くは続かない。自分ができる範囲で、毎日をできるだけ楽しく過ごすために、毎朝「さて、今日はどんなコスプレをしようかな!」と思ってシャツに袖を通すのも悪くない。というか、楽しい。だから、服を選ぶのが苦手な人はちょっと発想転換してみたらどうかしら?


ちなみに自分の最近の目標スタイルは「読書の似合う文系女子」「出版社に勤めていそうな女の子」。服装をそろえるのも去ることながら、化粧もそれっぽくしたい……のだけど、いかんせん修行が足りず、相変わらず野暮ったい。まずは1ヶ月に1度は髪を切る、化粧はちゃんとする、コンセプトにそぐわない服は買わない、どんなに時間が足りなくても鏡を見て全身のバランスを確認する……を心がけようと思う(低レベルでスイマセン)。ハイレベルなコスプレーヤーへの道は遠く、険しい。

*1:写真はウィーンの街角のブティックにて撮ったもの。可愛すぎて思わず立ち止まって写真撮影。変な日本人に見えただろう……でもかわいかったんだもん!