ICC「ミッション001:メディアを探索せよ!Look|Past|New」に行ってきた

土日、2日連続でICCで開催されたトークイベントに行ってきました。気に入った言葉をメモ帳から転記しながら、考えたことをつらつら書いてみます。まず1日目は宇川直宏、近藤哲也、松岡正剛の3人。プロフィールはICCのサイトに掲載。http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2007/ExploringMedia/talk1215_j.html


謎のイメージですねと振られて、

宇川:最初のイメージは自分で作る。それをre-editされていく感覚。

そして、wikipediaの記事について言及。まず自分が書く。それを誰かが編集する。次は自分が編集する。編集される。する。される。延々と続くコミュニケーション。edit,re-edit,re-re-edit… 彼はとにかく在るメディアを総動員して自身を出して行くタイプのアーティストらしい。そんなパーソナリティが反映されてか、彼が話し始めると、情報量がとても多い。wikipediaにも山のような情報が載っている。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%B7%9D%E7%9B%B4%E5%AE%8F
作品紹介。「No Breath」。オブジェ(?)の中に入ると、彼のプロフィールが隙間なくびっしりと詰まっている。また六本木クロッシングに展示中の台風を体感する作品では、2005年にアメリカを襲った台風カトリーナ上陸直前と同じ風速の中を、世界60カ国の紙幣が舞っている。0の羅列でアがる感覚だという。


次は近藤氏の作品紹介。アルゴリズムに従って図形を描くソフトウェアを使って描いた絵。プログラムだけなら誰がやっても同じだから、それで何かをしたいと思う感覚は、技術者と同じものかも。自分が書いた童話を各国の友人が翻訳しweb上にアップするという試みについても話していた。近藤氏自身は中国語や韓国語を読むことはできないので、自分の書いた話がweb上にあっても、本人にとっては何の意味もない。だけど、それが面白いと言う。

近藤:web上に(自分にとって)意味を為さない言葉があるということが面白い。僕にとっては。

ぶっちゃけ、よくわからない。ヘン。でも、わけがわからないものの、気になる。webもよくわからん。けど、面白い。http://leapsnail.net/tetsu/


松岡氏は冒頭に「今日は保護者として来た」と言い放ち、口数は少なめ?な印象。が、話し始めると知性と教養がほとばしる。そして「こういうのもやってほしいね」と2人に話を振る。しかし松岡氏を思い出そうとすると、彼自身のことは空気のようにしか想起できず、むしろアーティスト2人が浮き立ってくる。この「振る」能力と、触媒のような存在感が、自分の考える「編集者」像に近しかった。
そんなわけで彼の発言はあまり思い出せないのだけど、宇川氏のre-editというキーワードに絡めて語っていたことがいかにも「編集者」らしい。

松岡:コミュニケーションをするには、何かを加えたり引いたりしないと。編集にとって何が大事かは、始めに何を捨てるかになりつつあるという印象。