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タイトルはまるで時間術How to! のような印象ですが、「戦略的行動」と「全脳思考」に関する本です。2008年の13冊目。
戦略的行動
- 「何をやらないか」を決める/「やりたいこと」を絞り込む/「やりたいこと」に集中投資する
- 「やらないもの」は無意味なものではない/最後に勝つためにゆっくり急ぐ
著者がなぜ戦略的行動=取捨選択してエネルギーの集中投資をするやり方を説くかというと、次のような考えがベースにあるため。梅田さんの言い方よりも露骨ですが、コンサル出身の人はよくなさる説明ですね。
世の中では、どんな分野でも上位にいくほど加速度的に「おいしい思い」ができる。(例:プロゴルフの賞金配分)
金銭的なことばかりではない。上位に食い込めば食い込むほど、その人の存在自体が周囲に対する「ブランド」となる。こうなると、さまざまなチャンスが向こうから舞い込んでくるようになるから、どんどんと、より楽しいおもしろいことができるようになる。
「戦略的行動を磨くには」の章より、参考にしたいこと
- 「話さぬ覚悟」=話すときの覚悟をもつ
- 眠ることや考えないことにまで集中する
- スケジュールは早い者勝ちが原則
全脳思考
- 五感すべてを敏感に働かせる
- すべての感覚器と身体を制御する
全脳思考ができたときは、リラックスしながら集中している感覚、痛みや苦しみのない開放感、透明感といった感覚を覚えるそうです。なんだか宗教みたいですが、スポーツ選手や演奏家も口にしそうですね。…と思ったら、ハンマー投げ世界チャンピオンの室伏氏のことが引用されていました。
室伏氏は、なんと背骨の一つ一つを自分の意思で動かせるそうだが、これは単に筋肉がたくさんついていればできるというものではない。背骨の一つ一つの位置と動きを知覚できる鋭敏な感覚と、その周囲の背筋を動かす繊細でかつパワフルな神経が発達していなければ不可能だ。
「全脳思考を磨くには」の章より、参考にしたいこと
- コンディション作りが第一歩
- 「考えない力」を身につける/一度決めたら、迷わず突き進む
- 「話せぬもの」と話す/動物とコミュニケーションする
- 自然を感じる
- 理屈でなく心で理解する
すべてありのまま理解する+言語や論理で伝える
上の箇条書きの最後の1つは、「理屈だけではなく心で理解する」と書いたほうが語弊がなさそうです。
人が人を理解するには二種類ある。一つは相手のことばを自分の頭で理解する「論理的理解」、もう一つは相手の気持ちや精神状態を自分の心で心情的に理解する「共感的理解」だ。
(共感的理解は)言語的な作業にとどまらない。まず、言葉に加え、言外のあらゆる情報、たとえば顔の微妙な表情や、声のトーン、体温、時には匂いまで敏感に察知しなければならない。次に、それらの膨大な情報を、すべてありのままの形で自分の脳のデータバンクにぶち込む。最後に、自分の脳内で類似体験を想起したり、想像で追体験をしたりすることで、自分の体内に相手と同じ神経の状態を再現し、感情のホルモンを出し、それらを味わうように感じ取るのだ。
ただし、問題の解決策を考えたり、それらをわかりやすく説明するためには、やはり論理や言語の脳領域が欠かせない。
これを読んでいて、日本語以外を使って交流する人のことも、もっと理解できるようになりたいなあと思いました。で、生まれた目標のひとつが「悩み相談にのれるくらいの英語コミュニケーション力を身につけること」です。