清く貧しく?

Re:S VOL.4

Re:S VOL.4

今日は「りす」vol.4 を読んだ。特集は「地方がいい」。九州から東北まで、地方を流れるように旅する過程を、文章と写真で追っている、雑誌とも書籍ともつかない本だった。ゆるゆると、緑茶を飲みながら読み切った。翻って、先週末、黒澤明監督の「赤ひげ」を見た。最低限のお金で、健康に心豊かに、人の役に立つ生き様の美しさを描いていた。「りす」と「赤ひげ」、この2つに共通するのは「お金は大切。だけど、それよりも大切なものがある」という姿勢。

日本はグローバル化しなくていい?

日本は日本で閉じていてもいいじゃないか。いや、外貨を獲得しなければ日本は食べていくことすら難しい。・・・というような議論を見掛けることがある。どちらの論も一理あるが、今と同じ生活を続けたいならば、外貨を獲得しなければならない*1。一方で、下記の条件を満たせるならば、英語は苦手です、海外からの移民は御免被りたいです、という姿勢でも良いんじゃないかな。

  • 稲作を大切にする
    • 米を食べる
    • 稲・藁を有効活用する
  • 地産地消する
    • 食料自給率を上げる
    • 必要なものを必要なだけ作る
      • 余ったら輸出する
  • 地方に住む
    • 地方の生活の良さを広める
    • 余所者を受け入れる間口をつくる

一言で表せば、足るを知る。

「地方がいい」

話は飛ぶけれど、地方都市に住みたい。この「りす」という雑誌の特集は「地方がいい」。だけど、私は田舎は苦手。なので、私は、都会になりきれない、ダサイ地方都市に住みたい。


私が育った埼玉と、住みたいくらいに好きなヘルシンキ・札幌・愛媛松山は、都会だけど田舎くさい、田舎だけど都会ぶっている、中途半端な「地方都市」であるという点で、似通っていると思う。ところで、東京を見て育った私から見ると、幸いにか不幸いにか、たいがいの国の都市は「地方都市」に見える。私が日本以外の国に行きたくなる理由の1つ。

*1:今と同じ生活というのは、バラエティ豊かな食生活や、欲しいものを欲しいときに手に入る都市的生活・・・、たぶん文章で書いても伝わらない、「普通」の生活のこと。海外から帰国して東京に戻って「やっぱり日本は良いね」と言うあなたは、今と同じ生活を続けたい人だと思います。