「海辺のカフカ」読了
15歳の主人公の物語、「海辺のカフカ」読了。上巻は1週間くらいかけて、通勤電車の中でのんびり読んだ。下巻は今日1日で、勢いよく読んだ。村上春樹は小説家なのだなあと、しみじみと思った。小説家という人種にとって、、文章は技術であり、研ぎ澄ますべき刃なのだと気付かされる箇所が随所にあった。デビュー作品「風の歌を聴け」から切れ切れに読んでいるけども、「ノルウェイの森」以後の作品の中では、かなり好きなほう。
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好きな場面
「わかると思います」と僕は言う。
「どういうことだと思う?」
「ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできないから。本当の答えというのはことばにはできないものだから」
「そういうことだ」とサダさんは言う。「そのとおりだ。それで、ことばで説明しても正しく伝わらないものは、まったく説明しないのがいちばんいい」
「たとえ自分に対しても?」
「そうだ。たとえ自分に対してもだ」とサダさんは言う。「自分に対しても、たぶんなにも説明しないほうがいい」