オープンアクセスってなに?

オープンアクセスとは、学者さん(研究者)の書く論文を扱う業界、いわゆる学術出版業界で最近騒がれている単語です。オープンソースと似ているけれど、扱ってるものはあくまで研究者によって書かれた「論文」や「研究成果」です。

オープンアクセスの定義

Budapest Open Access Initiative(BOAI)という2001年に開かれた図書館関係者会議で「オープンアクセスとはなんぞや」という声明が出され、それが主流になっています。

「なんぞや」の部分を抜き出してみます。

By "open access" to this literature, we mean its free availability on the public internet, permitting any users to read, download, copy, distribute, print, search, or link to the full texts of these articles, crawl them for indexing, pass them as data to software, or use them for any other lawful purpose, without financial, legal, or technical barriers other than those inseparable from gaining access to the internet itself.

この内容、実はクリエイティブコモンズの「Creative Commons Attribution License」というライセンスと同じ内容です。

あなたは以下の条件に従う場合に限り、自由に
・本作品を複製、頒布、展示、実演することができます
・二次的著作物を作成することができます。

あなたの従うべき条件は以下の通りです。
・表示. あなたは原著作者のクレジットを表示しなければなりません。

出版社の対応

上の事情を受けてか、オープンアクセス論文を扱う出版社であるBioMedCentralPLoSは、「オープンアクセス論文とは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもとで出版されている論文のことだ」と明言しています。

PLoSの例

website全ページの最下部に、クリエイティブコモンズマークを掲載。*1

LoS has chosen to apply the less-restrictive Creative Commons Attribution License (CCAL) to all works we publish.

http://www.plos.org/oa/definition.html
BMCの例

"Copyright"のページに、BMCの著作権ポリシーは「クリエイティブコモンズの内容と同じである」と明記。

The BioMed Central Copyright and License Agreement (identical to the Creative Commons Attribution License) formalizes these and other terms and conditions of publishing research articles.

http://www.biomedcentral.com/info/about/copyright

ちなみに

オープンアクセスは、頭文字を取って「OA」と書かれたり呼ばれたりします。

おまけ:Science Commons

クリエイティブコモンズ自体も、科学研究の現場でこのような動きがあることを歓迎しているようで、論文が出来る前の、研究段階におけるデータもオープンにして、研究活動を促進しようという運動も「Science Commons」として展開しています。
宇宙の3D地図を作るプロジェクトSloan Digital Sky Surveyや、一部のGenome Projectでも、Science Commonsに基づいてデータ共有を行っているそうです。(ここらへん、良いソースをご存じの方がいらしたら教えて貰えるとありがたい!)

*1:ここに後でスクリーンショットを入れたい