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勝ち続ける意志力

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勝ち続ける意志力 (小学館101新書)勝ち続ける意志力 (小学館101新書)
梅原 大吾

小学館 2012-04-02
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ちきりんブログを読んで興味を持った。Kindle版があったし、500円程度だったので気軽に購入した。昨年末に「本番に強くなる」を読んで以来メンタルマネジメントに興味があるので、そういう要素があるかな?という期待もあった。


著者は1981年生まれのプロゲーマー。10代のうちから世界チャンピオンだったが、一度ゲームを辞めて麻雀業界と介護職を経て、改めてゲームの世界に戻りゲーム会社のスポンサーを得てプロゲーマーになった梅原大吾というひと。

彼の半生記スタイルで、2−3時間でさらさらっと読み終えることができた。いわゆる普通とはちょっと違う人生を送ってきたひとだけに、根底に流れる人生哲学が独特のもので、それが本書の一番の読みどころだろう。
いっぽうあまり文章を書き慣れている人ではない(と思われる)割に、章立てがうまく立てられていたりちょっとしたところで表現がこなれていたりして、これは編集さんの仕事が良いのかな?という印象を受けた。


Kindleで購入する本は2冊目(日本語書籍は1冊目)なので、ハイライト機能を試しながら読んだ。これは自炊したPDFにはない機能なので、電子書籍って便利だなと実感した。いっぽう「XX人がハイライトしています」という表示は邪魔なので、非表示にした。

特になにも考えずにハイライトを引いていたが、読了後に見返したらチェックしたのはほとんど第2章「99.9%の人は勝ち続けられない」内の文章だった。特に好きだったのはこの一節:

変化を続けていれば、きっと正しいことが見つかる。また、正しくない事が見つかれば、その反対が正しいことだと分かる。だから、前に進める。

上記以外にも、この本には「成長したいなら変化しろ」というメッセージが繰り返し出てくる。

自分を変えるとき、変化するためのコツは、「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ということだ。もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。
とにかく大事なのは変わり続けることだ。

短い時間でも、成長や進歩と思える小さな発見があればそれでいいだろう。
これまで100円を払って買っていたものを98円で買える場所を見つけた。そんな小さな発見で十分だ。
「昨日と今日、お前の何が違う?」
と聞かれたとき、
「俺は98円で買えるスーパーを見つけた!」
そう自信を持って答えればいい。

などなど、本書のメイントピックとして何度もいろいろな視点で同じ主張を述べていた。また「98円」の例えは彼の前向きな人柄がにじみ出ていて、ほほえましく感じた。

いっぽう変わる意思がないものに対しては手厳しく、

築き上げたものに固執する人は結局、自分を成長させるということに対する優先順位が低いのだと思う。新しいことに挑戦する意欲も薄ければ、何かを生み出す創造性も逞しくないのだろう。

という一刀両断っぷりを見せる。


また精神論だけで終わらず

自分のとっての適量を考えるなら、
「その努力は10年続けられるものなのか?」
自問自答してみるのがいい。

人間は易きに流れる傾向がある。
だから、継続できるサイクルを作ることは、あるいは意識の変化と同等か、それ以上に大事なことではないか

といった、ちょっとした技術的な話題もあった。最近naoyaさんのダイアリーにもあったけど、(身体的な、ひいては精神的な)リズムを作るって本当に大事。

とはいえ、技術的なことは、冒頭で言及した「本番に強くなる」や、自分が今読んでるビジネスマンのためのメンタル・タフネスを参考にしたほうが良さそう。「メンタル・タフネス」は本書とは異なり、じっくり時間をかけて読みたい本だ。


この本は、Amazonのレビューにもあるが、スポーツ選手による勝負哲学本に近しいものとして、読み物として面白かった。


ところで。この本を読んでいる最中、谷村有美さんの「愛する勇気」の歌詞を何度か思い出した。つまり、こういうことですね。

大切なのは変わらないこと 変わって行けること

そして、どうやって変えていくか、何を変えないでいくか。