2回読んで、2回とも泣いた一冊


アニリール・セルカン / 日経BP
Amazonランキング:3269位
Amazonおすすめ度:

ドイツ生まれのトルコ人による、日本語で書かれた、タイムマシンを作る少年たちのおはなし。翻訳本かと思えるくらいに、スムースな日本語です。子ども向けのお話なので、表現も平易でわかりやすい。ストーリーが魅力的なだけでなく、画面の隅っこに描かれたり、挿絵として登場するイラストもかわいらしい。会う人全員に「面白いから読んでみて!」と言ってプレゼントしたくなるような、素敵な本です。


内容は軽いもので、1時間もあれば読み切れてしまいます。私は実家に帰る電車の車中で1回、オペラシティにあるカフェでもう1回読みましたが、タイトルにも書いた通り、私は2回とも感極まって涙が出てしまいました。電車の中で泣くなんて久しぶりで、普通に恥ずかしかったです(笑)。だけどあんまり素敵で我慢できませんでした。念のため言い添えておきますが、哀しいお話ではありませんよ。

好きな一節

ぜひ読んで欲しいのでストーリーはお教えしませんが、とても好きなコトバをひとつだけご紹介します。
タイムマシンを作るためにギリシャからドイツに行くと言う15歳のイアニス。父親はもちろん、「バカバカしいにもほどがある!」と反対しますが、祖母の後ろ盾のおかげで、イアニスはドイツに行けることになりました。その見送りの場で、祖母はイアニスの手を握ってこう言います。

イアニス、『誰かになってほしいあなた』ではなくて、『自分のなりたいあなた』になって帰ってきなさい。


小さいとき、何かをするたびに「こんなことをする私は、要らない子なんじゃないか?」と怯えていた記憶があります。冗談であっても「お前なんていなければいいのに」という言葉は、子供心を深く抉りました。たかがコトバ、されどコトバ。こんな素敵な言葉を誰かに贈ることができるようになりたいですね。

読んだきっかけ+関連ブログ

この本はid:marqsに「kany好きそう」とコメントしてもらって、id:phoに借りました。彼もレビューしていますが、視点が違って面白いです。http://d.hatena.ne.jp/pho/20070209/1171025134


(前々から付き合いがあるものの)はてなブックマークを見合うようになってから、自分の嗜好が2人にバレバレな気がします。このはてなブックマークソーシャルブックマークというサービス)、家にいても面白そうな情報を共有できてすごく便利ですよ。「はてなブックマークってなに?」という方は、私のブックマークを見てみてください。http://b.hatena.ne.jp/kany1120/
興味を持ったら「ソーシャルブックマークが便利」を読んで、あなたも始めてみてくださいね。その際はアドレス/アカウント名を教えていただければ幸いです。http://d.hatena.ne.jp/kany1120/20061115/1163601468


著者のアニリール・セルカンさんもブログを書いています。日本語が上手なだけじゃなく、なかなか面白い生け花もなさっています。http://blog.anilir.net/
「タイムマシン」の公式ブログもあります(著者のプロフィールもあります)。http://blog.nikkeibp.co.jp/book/timemachine/